膝関節と肘関節の似ているところ/違うところ;機能編〜運動を科楽する:第1章(8)
さて、
3つの骨が絡んでいる膝関節と肘関節の役割(機能)としての類似点は
なんでしょう?
それは、
可動範囲が主に曲げ(屈曲)と伸び(伸展)に限られているところです
そしてその役割は?
先端にある部分の位置を決めることにあると考えられます。
先端にあるのは膝の場合は足ですし、肘の場合は手になります。
特に肘は手の位置を決めることで、手を使うことにおいてとても有用な
役割を果たしています。
手を口に持っていったり、手を伸ばして物をつかんだり、私たちが何気
なく行ういつもの動きを可能にさせている一つの重要な部分が肘です。
一方の膝の場合はどうでしょうか?
足の位置を決めることはとても重要ですが、これは股関節の方がより
重要かもしれません。
しかし、
膝も股関節とともに足の位置を決めるのに役割を果たしています。
例えばボールを蹴ったり足元の微妙な操作には膝も関係しています。
また、
靴や靴下をはくときには膝を曲げて足を身体に近づける必要があり、
そのとき膝の屈伸がとても必要な動きとなります。
でも、
もっと重要な役割が膝にはあります
それは、
足が地面についている時の重心の上下動です。
簡単に言うと、
立ち座りの動きですね。
立つ⇔座る⇔しゃがむ⇔立つの繰り返しです。
そのとき膝関節は曲がったり、伸びたりする必要があります。
言い換えれば、
膝が屈伸するからこのような動きが可能になるわけです。
これは肘にはない膝の大きな役割と言えるでしょう。
もちろん似たようなケースは腕立て伏せなどでは当てはまります。
腕立て伏せは、肘の屈伸によって身体の位置が上下する動きです
さらに、
膝は下肢の、肘は上肢の関節ですから、当然上肢と下肢の役割の違いを
反映しています。
膝は下肢の役割を担っています↓
肘は、上肢の役割を果たします↓
特に肘は手の遠近(身体からの)を決めるということです↓
まとめてみましょう。
膝関節と肘関節は、
動きとしては主に屈伸が行われ、先端にある部分(手や足)と身体
(体幹部分)の間との距離(の遠近)を決める、という点で一致して
いると考えられます。
両者の異なる点は、
荷重される関節か(主に)そうではないか、によるものすなわち、下肢
と上肢の役割の違いに伴うものだといえます。
違いよりも似ているところを突き詰めてみると、どうして関節の屈伸が
必要で、そのためにどんな構造が適しているのか?などと考えられて、
とても解剖学的・進化的に興味ふかいものだと感じました。
構造のところで述べましたが、屈伸以外の動きには靭帯などの補強が
されているものの、無理な外力などが働くとなかなか厄介なケガの元に
なることにも、気をつけていた方がいいでしょう。
その上で、
膝も肘も屈伸の動きを維持することに日々のケアとして重点を当てる
ことが大事だなと思っています。
最近、右肘に違和感を感じているのですが、ふと気がつくと右肘の伸び
がやや制限されていることに気づき、改めて日々の(セルフ)ケアが
大事だなと感じているこの頃です。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次回に。