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朝野裕一

身体運動の自由度・4

昨日は下(床、地面)にある物を拾う動作についてお話ししました。

今日は上にある物を取る、あるいは上に物を挙げる・乗せる・掛ける

動きについてです。

どうしても普段使わない物や、物干しなどに洗濯物を掛けるなどの動作

は普段よく行うと思います。

そんな時、自分の手の届く範囲よりやや上にある物などを取ろうとする

と爪先立ちになります。

爪先で立つ=踵が浮くという動きになるのですが、これも実は色々な

バリエーションがあります。

お腹を前に突き出すと自然に踵は浮こうとします。あまり突き出し過ぎ

れば、前方へのバランスを崩すことになります。

この方法では意外と手の届く範囲は高くならないです。何故ならば、

前方へ(重心が)移動する要素が多い分、上方向への動きは少なくなる

からです。

お腹から動かさずに、むしろ体(体幹)はあまり動かないようにして

おいてその姿勢で踵を浮かす=爪先立つと、手は上に伸びていきます。

上の図の左側がちょうどそんな感じです。それに対して、右側(上図)

では、お腹を前に突き出しているだけで踵は浮きますが手は上にあまり

伸びていません。

大事なことは、体幹をまっすぐに伸ばしたまま固定してから踵を浮かす

ことです。

しかし、姿勢が丸まってきてしまうと、これができづらくなります。

左側(上の図)のような姿勢では元々手が上に伸びづらい姿勢な上に

結果的にお腹を突き出すパターンになってしまい、そのため手があまり

上に行かないことになります。

右側(上図)ではしっかりと体幹が伸びた状態で踵を上げている分、

手が上に伸びて行きやすくなります

振り返りの動作の場合、体幹(上部)の回旋(ひねりの動き)が大事

でしたが、上の物を取るなどの動作では、体幹の伸展(体が真っ直ぐに

伸びること)が大事になります。

こうして考えると、

関節や身体の部分の可動域がいかに大事かが改めてわかりますね。

自由度の第一条件は可動域と可動性であることがお分かりいただければ

と思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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