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  • 朝野裕一

不老不死あるいはアンチエイジング〜人体はアップデートできるのか?

人間にいや生物に必ず訪れる死。

誰にとっても恐怖の対象となるものでもあります。

しかし今、

様々な科学技術の発達に伴って、不老不死あるいはアンチ・エイジング

が、不可能ではないと考えられて来ています。

老化は物質の金属疲労の一つ=錆びと同じで、酸化が関係しています。

酸化に伴う炎症状態が様々な細胞への支障を引き起こすことも

わかっています。

しかし酸化が単に悪い事というわけではなく、抗酸化機能とのバランス

が崩れて酸化が強くなり過ぎる時に、酸化ストレスと呼ばれています。

何事も全て悪い事とは言い切れずコインの表・裏的な良いことと悪い事

が一体になっており、要はそのバランスが崩れる事自体に問題がある

わけですね。

さて、

ヒトの生命活動に欠かせない細胞の働き、中でも核とミトコンドリア、

それぞれ細胞の司令塔とエネルギー供給源を担っています。

この両者がうまく働かなくなる時に、細胞の機能が低下していきます。

それを防ぐのではないかと言われている物質がNADという物質です。

ネズミの実験では、NADを投与された方のネズミは投与されていない

ものに比べ、老化が防がれ若々しい状態を保っていたという事です。

そして、体をバラバラにしても再び凝集して生命が再生される生物、

紅クラゲの研究なども行われています。

組織を作り出す原材料である胚性幹細胞を人工的に生成する、iPS細胞

生成技術が可能になった今、生化学的シグナルに反応して組織の生成・

再生を行うことが決して不可能なことではなくなりました。

それは多くの病気を治療するためにとても重要なだけではなく、

不老不死への可能性をも考えさせるものです。

人体は果たしてアップデートをこうした技術によって可能にするので

しょうか?

そして、

不老不死が本当に生物の進化にとって有用(?)なことなのか?

それをゲーム理論によって証明する実験があるそうです。

進化と死は必然なのか?進化は老化の理由にはならないのか?

などをゲーム理論で解き明かした試みです。

テーマは、競争において死は有利に働くか?です。

不死身と死を宿命づけられた二つのグループで、限られた資源を

めぐって何世代にわたって戦わせてみた結果、不死身群より、

死の運命グループの方が有利であることがわかったというものです。

周りの環境の絶え間ない変化:病気、捕食者、天候変化など;には

突然変異と適応が必要で、それは死によって交代要員が新たに獲得して

次世代へ引き継がれていく、

その方が生存に有利であったということです。

不死身グループは環境に適応できなくなり全滅し、適応能力を持つ

次世代に引き継がれていく死を宿命とするグループが生き残る。

進化にとって死は好ましいということになりますね。

しかしこれも今、

遺伝子操作で適応能力を獲得させて、進化に頼らない状態を人工的に

作り出すことができるのではないか?と 考えられています。

老化の必要性はなくなるのだろうか?

他にもゲノム編集技術の進化と、そのヒトへの応用に関する倫理的な

問題など、科学技術に倫理的・哲学的対応がついて行っていない、

とよく言われるのも頷けます。

遺伝的な疾患への応用は特に求められていることでしょう。

と同時にどこまでを操作するべきかという議論が、本格的にされて

いかなければならないのでしょう。

哲学的には、受け入れるべき死、死と文明は一体?ということが、

提言されてもいます。

存在脅威管理理論;死の現実を否定、永遠の命を肯定・信じようとする

というのがあるそうです。

そして、

死の恐怖を原動力に集団の一体化が進むことで、芸術や文化、宗教、

技術の発展が成し遂げられてきたという話は、文明の存在価値と

関わる大きな哲学的、倫理学的課題のような気がします。

死を受け入れることは、生の肯定的側面を考え、物事には必ず始まりと

終わりがあるということや、だからこそ良い物語を紡げば良い、という

結論も一向に値すると思います。

なんだか大真面目な、かつ身体運動と関係ない?話に終始してしまい

ましたが、TVである番組を観ていてその内容に、人体のアップデート

というテーマを感じたので。

ちなみにその番組はこれ↓です。

<参考番組>

モーガン・フリーマンが語る宇宙 S7(ディスカバリー・チャンネル)

老化と身体運動、医療費のこと、健康寿命、認知症のことなど、

現実の社会的な課題とも関係してくる背景となるベースの論議でした。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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