- 朝野裕一
高く跳ぶ
できるだけ高く跳ぶにはどうしたらいいでしょうか?
その場で素早く何回もジャンプすることとは明らかに違う跳び方です。
その場跳びではつま先を支点に、主に足首の動き=ふくらはぎの筋肉
の力をもとにして、重力に逆らって身体を地面から上に持ち上げます。
でもその場跳びを繰り返し行なっていると気づくと思うのですが、
膝も少し曲げている。
特に着地をスムーズに、衝撃を和らげる意味でも自然と膝が曲がって
きます。
そして、
次のジャンプの起動力にしている
ただし、
著しく膝の周りの筋肉の力が弱かったりするとこれができません。
着地して膝が軽く曲がった状態から繰り返し跳ぶうちに、より高く
跳ぼうという動きを体感できるのではないかと思います。
もう少し高く跳ぼうと試みるうちに今度は股関節もしっかりと曲げない
とできないことがわかってきます。
以前お話ししたかもしれませんが、下肢の主だった三つの関節、
足関節・膝関節・股関節のそれぞれの動きと協調性が、跳べる高さを
規定していきます。
そこには跳び上がる時の各関節の伸びる順番=タイミングも関係して
きます。
これは、椅子からの立ち上がり動作に似ているかもしれません。
上に跳ぶ、椅子から立ち上がる、いずれも重力に抗して重心を上方に
移動させる仕事=身体動作です。
高く跳ぶためには、股関節から始まって順に膝、足へと伸びることが
効率よく重心を上に持っていく動作と言われています。
股関節が伸びる前に膝が伸びきってしまったり、股関節や膝が伸びる
前に足で地面を蹴ってしまったりすると、強調したバネのような身体の
伸び上がりが崩れてしまい、
結果として高く跳ぶことができなくなります。
とは言っても、
股関節を伸ばし切ってから次に膝というわけでもありません。
股関節を伸ばしたら膝も自然と伸びる方向に動く、立っていると
そういう仕組みにもなっているので、初動は股関節パワー、順に膝
足と動きが連動することが求められます。
また、
地面を踏みしめる方向も大事になります。理想は身体の真下に向けて
地面を踏むことができれば真上に行きますが、少しでも前や後ろに
ズレると、前や後ろに跳んでしまい、高さのロスが生じてきます。
さて、
高く跳ぼうと思うと一旦身体を沈めて=股・膝・足関節を曲げて、
反動をつけるように跳ぶと思います。
これらの関節が曲がった状態から伸びる際に発揮されるパワーを、
重心を上に上げる力に変換しているわけですね。
しかし、
あまりにも曲げる角度が大きすぎると、例えばしゃがみ状態から
上に高く跳ぼうとするとなかなかうまくできないでしょう。
これは、
それぞれの関節を伸ばす作業が大きくなる分、先ほど述べたような
伸ばすタイミング自体が測りづらくなる=しづらくなる、さらに、
伸ばす力自体にエネルギーを取られ、上に跳ぶエネルギーに変換
しきれずに、結局ロスしてしまうからと考えられます。
下肢の三関節の曲げ具合とそこで維持できる筋力、さらには
伸ばしていく順番とタイミング、地面を押す力の方向、全てがうまく
できて初めて高く跳ぶことができるようになります。
実は、
腕の動きも関係していますね。
これだけでも指導する面白さがありそうですね。
皆さんも自分なりの教え方など考えてみてください。
そして、こうやったらいいよというものがあったら教えてください。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。