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  • 朝野裕一

運動を促すアプローチ5

セルフエフィカシーというお話をしていました。自己達成予感とでもい

うのでしょうか。「できる!」という見込み感と説明されています。

セルフエフィカシーが増強される情報源は4つあるとしています。

1.遂行行動の達成: ある行為の実践に対して過去の成功や失敗体験

が、遂行の程度を知る情報となり、達成可能な目標設定や成功体験の

刷り込みに役立つとされています。

2.代理的体験:他人の成功や失敗を観察することで、例えば「あの

人ができるんだったら自分もできそうだ」「私だったらこうやって

できるかも?」と思わせるような情報です。

3.言語的説得:指導者などの他者から「できる」という自信を持た

せる言葉をもらって、それを確認することができる情報です。

4.生理的および情動的喚起:自分自身の能力や機能に関して、身体で

の感じ方、そこから上達した感覚を得ることです。

筋力がアップしたといった数値評価とは違い、「前よりも楽に階段が

昇れる」とか、「動いても前より疲れない」などの自覚的なものです。

外からの情報ではなく自分の内部からの感じ取りにより、「できた」

という感覚=有能感が増強することになります。

過去の研究において、以上のことが証明されているので、運動プログラ

ムなどに、これらの要素を取り込むことが期待されています。

参考図書にはまだまだ多くのアプローチが述べられていますが、一つ

なるほど面白いなと思ったことは、ソーシャルマーケティングの必要性

を挙げていることです。

健康関連の行動を変化させるために使用する手続きと捉えています。

詳しくは述べませんが、一般の商業ビジネス同様、何を変化させたいか

、対象者の調査、ターゲットはどこになるのか、何を提供するか、など

まさしく商品を消費者に購入してもらう(届ける)手続きと同じ考え方

です。

行動を変容してもらう対象がどういう特性を持ち(どのような状態に

あり) 、いくつかの群に分けられるとすると、どの対象群にどのよう

なアプローチをどう届けるのか、一連のマーケーティング戦略に等しい

ことをする必要があるという考え方です。

確かに、闇雲に事業を伝えたと思っても、実際は伝えるべき相手に届い

ていないことも、しばしばあるのではないでしょうか?

大事な考え方の一つと思います。

一口に運動は体にいいですよ、と言っていても自然と皆が行動を変化さ

せるわけではない。それを丁寧に道筋を案内提供する必要があるという

ことを、改めて感じました。

本日は以上で終わります。またのお越しをお待ちしております。

ありがとうございましたまた明日。

参考図書)

「アクティブ・ライフスタイルの構築ー身体活動・運動の行動変容

研究」(竹中晃二・著、早稲田大学出版部、2015年.)

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