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朝野裕一

肩がこるってどういうことだろう!?〜Journey to the Exercise World:Vol.3の解説

肩がこる(凝る)、肩こりは誰にでもよくあることですが、

なぜこるのだろう?

こりをほぐす様々な方法がありますが、なぜそれが効くのか?

あるいは効かないのか?

今回は、

すでに多くの方が言っていることを簡潔にまとめてみました。

オフィスの机でパソコンを前に作業

よくある場面です。

まずはここから検証です。

何かと言うと作業姿勢のこと。

その前に、よくこる筋肉のことを

後ろから見た図です(上)。

左が僧帽筋という首の後ろから背中にかけて+肩甲骨の上(いわゆる

肩がこる部分)までを覆う筋肉です

もう一つは肩甲骨の間にある、菱形筋という筋肉。

この二つの筋肉は、よく“こる”という現象が起こる部位です。

僧帽筋は比較的よくわかる部位ですが、菱形筋は触れられてみないと、

こっていることが分かりづらいかもしれません。

さて、それでは作業姿勢のことを↓

よくある姿勢が上図の左側。

骨盤が寝てしまい、背中が丸まり=猫背気味で頭を上げてパソコン作業

腰が前にずれて座る感じです。

こうなると、

僧帽筋が一部収縮し続けています(例えば赤い矢印部分)。

一方の右側では、骨盤が起きていて背中もまっすぐに近く、目線も

パソコンの高さに近づき、僧帽筋の収縮は少なくて済みます。

※この絵では腕が少し上がっているので、どこかに支えがないと肩甲骨

が不必要に上がってしまっていて僧帽筋が収縮してしまうかもしれませ

んので、必ずしもパソコンを無理に上にあげなくても(面倒臭いです

からね)いいと思います。図がいまいち不親切ですみません。

こんな感じでもいいのではないかと↓※

とにかく、

骨盤を寝かせて腰を前にずらす姿勢は背中が丸まり、結果として

僧帽筋の上の部分が常に縮まり、菱形筋は逆に常に伸ばされた感じに

(猫背で肩甲骨が外側に引っ張られるので)なります。

すると、

これらの筋肉への血流が減少して酸素不足に陥り、“こる”という現象が

起きてきます。

もう少し、この筋肉が“こる”ということについて考えてみましょう。

上の図は、筋肉の繊維が緩んだ(弛緩)状態と縮んだ(収縮)状態で

どうなるかを、模式的に示したものです。

ミオシンという組織とアクチンという組織がお互いにスライドして、

縮んでいることを示しています。

さらに、この収縮する部分を詳しく拡大して見てみましょう。

ちょっと分かりづらいかもしれませんが、上が弛緩・下が収縮した状態

の略図です。普通はこの状態を交互に繰り返しているわけですね。

簡単にいうと。

ミオシンという組織の先にある首のような部分が、アクチンという組織

にくっついて首が曲がって、互いにその組織同士を引き寄せることで

縮む仕組みになっていると言われています。

そしてその繋がりは、血流によって運ばれた酸素(O2)によって産生

されるATPというエネルギー源になる物質が首の部分に付いて、外され

て弛緩するわけです。

くっついたATPはいくつかの経過を経て、ADPとPiという物質に分かれ

そこにカルシウムイオン(Ca2+)の存在によって、ミオシンの先の首

の部分がアクチンにくっつき、首が曲がってスライド式に収縮する、

という仕組みです。

そこに再びATPがくっつき、一旦アクチンとミオシンの繋がりは解かれ

カルシウムイオンも収納されていきます。

これでも大分、端折りましたが...

分りづらいですねー。

でも続けましょう!

先ほどの僧帽筋のように、

長時間収縮を続けた場合はどうなるでしょうか?

筋肉へ向かう血流が筋収縮によって血管が圧迫されて滞り、

結果として酸素供給が減り、ミオシンの先に付くATP産生が減ります。

すると、新たにミオシンの先に付くATPがなくなり、カルシウムイオン

が収納されないため、筋肉の収縮状態が解けないままになります。

それがいわゆる“こり”と言われる状態です。

長くなってしまったので、今日はここまで。明日はその“こり”をほぐす

ために行われる色々な手段の効用や機序について簡単にお話しする

ことにします。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。ではまた明日。

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